新型コロナウィルスをきっかけに、自分の生活や働き方を考え直した方は多いのではないでしょうか。私の周りでも、固定費のかさむ都会から地方に移住したり、以前とは別の業種に転職したりと、大きく生き方を変える人が増えてきました。
もともとやりたかったことに踏み出した人、家族で安全に暮らせる場所を求めて環境の良い田舎に引っ越した人など目的はそれぞれですが、「今まで通りの働き方、暮らし方では今後どこかで行き詰まってしまう」そんな危機意識から、一歩を踏み出したのが共通点のようです。
私自身も、バンコクに移住して半年も経たないうちに新型コロナウィルスが発生。必需品や食糧の買い出し以外はほとんど自宅に引きこもる状態で、今後の生活はどうなるんだろうと不安に思う日々が続きました。
自分の場合はリモートワークが可能な職種ではありますが、いざ日本に帰国することになった場合、再就職するのかフリーランスを選ぶのか、40代なので年齢的にも悩む面が多くあります。
そんな中、偶然観た映画『ジュリー&ジュリア』が自分の今の心境にとてもマッチし、「年齢に関係なく、興味のあることにチャレンジしよう」と前向きになるきっかけをくれました。私と同じように今後のキャリアでモヤモヤしている方に、ぜひ観てみてほしいです。
ジュリア・チャイルドってどんな人?
映画『ジュリー&ジュリア』は、アメリカの一般家庭にフランス料理の魅力を伝えた料理研究家、ジュリア・チャイルドと、彼女の1960年代のレシピを通じてブログで現代に発信をしていく若い女性ジュリーの二人の人生を交互に描く実話が元となったストーリーです。
ジュリア・チャイルドは1912年生まれ。第二次世界大戦中にアメリカの諜報機関で働くキャリアウーマンでしたが、外交官の夫の転勤でパリに移り住むことに。料理オンチだった彼女が、フランス料理の豊かさに魅せられて名門「ル・コルドン・ブルー」の門を叩き、当時は男社会だったプロの料理人養成コースで学びます。
フランス語もままならない外国人、女性、料理初心者というマイノリティながらも、周囲の冷たい視線にも負けず努力を続けるジュリア。彼女のフランス料理への情熱は、料理教室の開催、料理本の出版、テレビの料理番組ホストなど、やがてさまざまに身を結んでいきます。
順風満帆な人生に見えますが、ジュリアの本格的なブレイクは50代に入ってから。30代後半でフランス料理を学び始めてから10年以上の年月をかけて「遅咲きキャリア」を花開かせたのです。
ジュリアに学ぶ「遅咲きキャリア」成功のコツ
映画を観てジュリア・チャイルドの人生にとても興味を持ったので、その後彼女の自伝「My Life in France」も読んでみました。映画と本の内容を総合すると、彼女の「遅咲きキャリア」成功のコツは、この5点に集約されると思いました。
- 過去のキャリアに囚われない
ある程度年齢を重ねてからのキャリアチェンジは、これまでの実績やプライドが新しい挑戦へのネックとなっていることも多いもの。ジュリアのように、まっさらな気持ちで飛び込む勇気が必要です。 - 門前払いされてもあきらめない
「ル・コルドン・ブルー」では、”優雅な主婦のお遊び”と最初は門前払いされていたジュリア。それでも学びに対する本気度や、誰よりも努力する姿勢を見せることで周囲の心を動かしていきます。未経験のものを学び始めるときに大切な姿勢をジュリアは教えてくれています。 - 周囲を味方につける
若い頃と違って、パートナーや子供など家族が増えている場合は自分のことだけに集中することができません。やりたいことを応援してもらえるように、家族と家事の分担や今後のキャリア形成についてよく話し合うことが重要です。 - とにかくポジティブ
年齢を重ねると、若い人が集まるコミュニティでは孤立してしまったり、なじめないことも多いと思います。そんな時、周囲との壁を作らず笑顔でいること、自分から他人に声かけしてみることなどなど明るい雰囲気作りは重要です。年をとってもジュリアのようにチャーミングで愛される人を目指したいもの。 - 成功を急がない
「遅咲きキャリア」を軌道に乗せるには、これが一番大切なことかもしれません。SNSやYouTubeには「好きを仕事にした人」のキラキラした生活が無数に流れてきますが、他人と自分のキャリアや人生を比較しすぎないことが大事です。自分の生活を守りながら、長期戦で「遅咲きキャリア」を花開かせる努力をしていきましょう。
映画『ジュリー&ジュリア』
今後のキャリアに悩みを抱えた女性に観てほしい映画『ジュリー&ジュリア』と、その元になった女性ジュリア・チャイルドの生き方を紹介しました。現在、prime videoで観ることができるので、ぜひ気になった方はチェックしてみてくださいね。
【ストーリー】
1949年、パリでフランス料理の虜となったアメリカ人女性ジュリア。
彼女は名門ル・コルドン・ブルーで料理を学ぶと、家庭で誰でも作れる524のレシピを本にまとめて出版する。
本はベストセラーとなり、彼女はテレビの料理番組に出演するなど一躍人気者となった。
それから50年後のニューヨーク。
小説家になる夢に破れた29歳のOLジュリーは、人生を変えるためにある無謀な計画を立てる。
それは、365日かけてジュリアが書いた524のレシピに挑戦し、その過程を毎日ブログに綴ることだった…。